ADHDとは?
ADHD(注意欠如多動症)は、不注意、多動性、衝動性の特性を持つ発達障害です。これらの特性が日常生活や仕事に影響を及ぼすことがあり、子供から大人まで幅広い年齢層に見られます。ADHDは以下の3つのタイプに分けられます。
- 多動・衝動性が強いタイプ:動きが多く、衝動的な行動をとることが特徴です。
- 不注意が強いタイプ:集中力が持続せず、注意が散漫になることが多いです。
- 混合型:多動・衝動性と不注意の両方が見られます。
ADHDのある方の頭の中がごちゃごちゃする場面
ADHDの特性により、頭の中がごちゃごちゃする場面はさまざまです。以下に、職場で特に困りやすい場面とその理由を紹介します。
スケジュール管理が苦手
ADHDのある方は、計画的に物事を進めるのが難しいことがあります。例えば、以下のような状況が考えられます。
- 納期を忘れてしまう:仕事の期限を見落としがちです。
- 必要な手順を飛ばしてしまう:段取りを踏まずに進めてしまうことがあります。
- 一つのことに集中しすぎる:他のタスクがおろそかになることがあるため、適切なペース配分が難しいです。
作業の優先順位が分からない
優先順位の判断が難しいこともあります。例えば、同時に複数の指示を受けた場合、何から手を付けていいのかわからなくなりがちです。このため、次のような状況が生じます:
- 目についた業務から取り組む:結果として、重要なタスクを後回しにしてしまうことがあります。
- 上司からの進捗確認で混乱:優先順位が違っていたことに気づき、どうしたらよいかわからなくなることがあります。
時間通りに目的地に着けない
時間管理が苦手で、予定通りに行動するのが難しいことがあります。例えば:
- 寝る前のスマートフォン:就寝時間が遅くなり、朝起きられないことがあります。
- 朝の準備に時間がかかる:家を出るのが遅れる原因となります。
- 目的地の時間を間違える:間違えた情報を元に行動してしまうことがあります。
集中力が続かない
集中力が途切れやすいこともあります。例えば:
- 興味のあることにのみ集中:興味がないことには集中できないことがあります。
- 環境に影響されやすい:周りの音や動きに気を取られやすいです。
じっとしていられない、我慢が苦手
長時間じっとしていることや、何かを我慢することが苦手です。例えば:
- 会議中の気持ちの浮き沈み:指示とは関係のないアイデアが浮かんでしまい、会議に集中できないことがあります。
整理整頓が苦手
整理整頓が苦手で、頭の中がごちゃごちゃする原因となります。例えば、
- 物の置き場所を忘れる:必要な時に物が見つからず、パニックになることがあります。
- 片付けが途中で終わる:片付けの手順を途中で忘れてしまうことがあります。
ADHDの頭の中がごちゃごちゃする原因
頭の中がごちゃごちゃする原因は、ADHDの特性と周りの環境のミスマッチによるものです。これには「個人因子」と「環境因子」が関係しています。
個人因子
個人因子とは、性別、年齢、価値観、趣味などの個人特性です。例えば、「自分の意志とは関係なくいろいろな考えが頭に浮かぶ」という脳内多動の特徴があります。
環境因子
環境因子とは、仕事環境や生活環境です。例えば、「仕事中に頻繁に電話が鳴る」といった状況が、集中力を乱す原因となります。
ADHDの頭の中がごちゃごちゃするときの対処法
ここでは、頭の中がごちゃごちゃしやすい場面に対する具体的な対処法を紹介します。
スケジュール管理ができないとき
- 視覚化する:指示内容を紙やデジタルツールに「納期」「やること」と分けて書き出します。具体的な日付や時間を記載することがポイントです。
- アラームをセットする:スマートフォンのアプリを活用してアラームを設定します。
- 声掛けをしてもらう:上司や同僚に時間を決めて進捗確認をしてもらいます。
作業の優先順位が分からないとき
- 優先順位を確認する:指示を受けた際に優先順位を確認し、TODOリストに反映します。
- 指示を一本化する:指示を出す人を一人に決めるか、一つの作業が終わったら次の指示を受けるようにします。
時間通りに目的地につけないとき
- スマートフォンを遠ざける:寝る前にスマートフォンを遠ざけ、就寝時間を守ります。
- 前日準備をする:持ち物の準備や着る服、電車の経路を前日に確認します。
集中力が続かないとき
じっとしていられないとき
- 動いていい時間を設定する:アラームをセットし、鳴ったらストレッチをするなどします。
- ご褒美を設定する:業務を細かく分け、完了したら自分にご褒美を与えます。
整理整頓ができないとき
- 箱や仕切りを用意する:デスクやロッカーに整理箱を設置し、物の名称をシールで表示します。
- 色で分ける:見分けやすいように色分けをします。
ADHDの治療方法について
上記の対処法が難しい場合、医療機関や専門機関に相談することが有効です。ADHDの治療は「環境調整」「心理療法」「薬物療法」の組み合わせが一般的です。
環境調整
周囲の環境を整えることで困りごとを減らす方法です。例えば、「耳栓の許可」「指示をメールで受ける」などが含まれます。
心理療法
カウンセリングを通して頭がごちゃごちゃした時に脳内多動を抑える為のサインを身に着けたり、状態を説明しながら自己理解を深め解決策を相談できます。
薬物療法
脳の機能に働きかける薬を服用する方法です。薬は副作用もあるため主治医と慎重に進める必要があります。
まずはカウンセリングを受けてみよう!
ADHDの困りごとに対する対処法や治療方法は個人によって異なります。まずは専門のカウンセリングを受けて、自分に合った方法を見つけましょう。カウンセリングでは、専門家があなたの状況を詳しく聞き取り、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。