ADHDは先天性?後天性?
ADHD(注意欠陥多動性障害)とは、発達障害の一種に分類される障害です。
特徴としては主に、落ち着きがなくじっとすることが苦手で目的のない動きをしてしまう「多動性」、
思いついて事をすぐに実行してしまい本来すべき行動を忘れてしまう「衝動性」、
注意を維持することを苦手とし、ケアレスミスが目立ってしまう「不注意」の3つの特徴が挙げられます。
ADHDの原因に関してはまだ明確にされていないものの、
遺伝や脳機能の障害が原因とする説が有力視されており、先天性の障害と言われています。
つまり、生まれつきADHDの要素を持っており、「ある日から突然ADHDになる」という後天性の障害ではないとされているのです。
しかし、子供のうちは「やんちゃ」や「おっちょこちょい」という言葉で片付けられることが多く、
大人になってからADHDに気づかれる方は多くいらっしゃいます。
ADHDの治療法と効果について
ADHDの治療法としては薬物を処方する「薬物療法」が一般的ですが、その他に、心理療法である「認知行動療法」「心理教育」など薬に頼らない治療法も存在します。
薬物療法
成人のADHDに処方される薬として「ストラテラ」「コンサータ」「インチュニブ」の3種類が一般的に処方されており、効果は下記のとおりです。
・ストラテラ
脳内のノルアドレナリンという物質の吸収を抑えることで視野を広げる効果があります。
特に過集中の傾向が強い方に向いている薬です。
副作用としては、頭痛や腹痛が挙げられますが、副作用は出にくくなっています。
・コンサータ
脳内のドーパミンという物質の吸収を抑え、脳の覚醒度を上げます。
頭がスッキリする、落ち着きを取り戻す効果があります。
副作用として寝付きが悪くなる、食欲不振などが挙げられます。
・インチュニブ
脳内のノルアドレナリンが働きやすい環境に整えてくれる薬で、比較的効果が出るまでの期間が早いです。
副作用としては眠気、血圧低下が挙げられます。
薬物療法に関しては、ADHDの症状を「一時的に抑える効果」として期待される一方、依存しやすい傾向もあるため、使用には注意が必要です。
また、効果が出る人も約50%と言われているため、「薬を飲めば必ず症状が治まる」というわけではなことを理解しておきましょう。
認知行動療法
考え方のクセや行動パターンを把握し見直していくカウンセリングの1種です。
主に自己理解、注意持続訓練、動機づけ、時間管理、環境整理、アンガーマネジメント、ソーシャルスキルトレーニングを行い、日々の生活習慣や考え方を少しづつ変化させて、心理的ストレスを減らしていきます。
薬物療法を行っても効果が無い場合に取り入れられており、生活をうまく乗り切る為の実践的な介入に期待されています。
心理教育
ADHDに対する一般的な症状や知識を習得し、客観的に困りごとを減らしていきます。
自分の努力不足ではなくADHDの症状によるものなのだと理解することが重要です。
「心理療法」から始めるべき理由
前途した通り、薬物療法は「一時的な処置」となるため、ADHDの根本的な解決には繋がらない場合が多いです。
また、薬物療法だけでは「計画が立てられない」「整理整頓が出来ない」「ストレスを溜め込んでしまう」といった問題を解決するには不十分であると言われています。
その点、心理療法を取り入れた場合は、効果の持続性は非常に高く長期的な症状軽減が期待されています。
ADHDは完治が難しいため、一時的な処置だけでは症状の緩和は見込めません。
自己理解を行った上で、行動パターンや考え方のクセを見直し、生きづらさを減らしていくことがADHDの治療の最終的なゴールなのです。
まずは「カウンセリング」を受けよう!
お話しタイムのカウンセリングでは、心理療法に基づいたカウンセリングを実施しております。
ADHDの正しい理解と自己理解を深め、日々の生きづらさを解消させるための思考・行動パターンを見つけていきます。
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心を軽くして生きづらさを一緒に改善していきましょう。